5月3日(火)
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 キング・ビリー・トラック(King Billy Track) 
キング・ビリー・トラックこの日は一日中国立公園で過ごしますが,朝はロッジの裏側にある
散策路キング・ビリー・トラックを散歩します。ここには世界的にも珍しい,
冷温帯雨林の原生林が広がっています。雨と霧でジメジメしていますけど,何せクレイドルは雨の多い所らしいです。
太古の昔,地球上にあった巨大な超大陸であるゴンドワナ大陸起源と
される植物が生き残る神秘の森です。この森は植物学者垂涎の雨林だそうで,元生物教師の肩書を
持つガイドのN氏は俄然張り切っております。かなり詳しい内容でわかりやすく説明して頂きました。
キング・ビリー・パイン

オーストラリアでは珍しい針葉樹林の仲間で
キング・ビリー・パイン(King Billy Pine)とよばれる巨大な杉の仲間を
見ることができるわけですが,やはり酸性土壌の影響で何百年も
腐らずにいる倒木の上に次の世代が育っていくというような
世代交代を行っています。
ジブリの世界?!それにしても,タスマニアはジブリ映画の参考になった場所が
沢山あるという噂ですが,このような雨林を歩いていると
まさにジブリ映画の世界感みたいなものを感じるような
気がしてきます。
※それ程ジブリに詳しいわけではないので,イメージです。
タスマニアデビルの糞
おっと,この糞は・・・。(食事中の方ごめんなさい)
タスマニアデビルのものらしいです。
皮から骨まで何でもかんでも残らず食ってしまうので,
毛が混じってるのが特徴とのこと。
例のDFTD(デビル顔面腫瘍性疾患)の影響でこの辺りのデビルは
絶滅まっしぐらというくらい激減していると聞いていたので,
何かホッとします。
 クレイドル・マウンテン(Cladle Mountain)トレッキング 
クレイドル・マウンテンいよいよタスマニアでもっとも有名な景勝地の一つ,
クレイドル・マウンテンのトレッキングへ出発です。
ダヴ湖(Dove Lake)駐車場から全景やこれから目指す
マリオンズ・ルックアウト(Marions Lookout)を眺め,
売店で地図等をl購入した後,昨日ウォンバットを見た
ロニー・クリーク(Ronny Creek)駐車場まで少し戻り
出発。
ともかく朝は天気も悪かったのですが,昼前になって空は晴れ渡り最高の景色です。
元々,雨に当たらない方が珍しいという場所だけに奇跡的とも言えます。また,一日のうちに
天気が目まぐるしく変わる様はタスマニアに来て全般的に感じていたことです。
ボタン・グラスウォンバットの住む湿地帯に生息するボタン・グラス(Button Grass)
パンダニ(Pandani)等の野生の草花を眺めながら歩いていきます。
ここではタンニンで茶色く染まった小川を見ることができます。
ボタン・グラスの根っこからタンニンが出るみたいです。
パンダニ
ファガスさらに山に入って行くと,標高1000mを越えたあたりから
ユーカリの仲間スノー・ガム(Snow Gum)が現れ,
南極ブナと呼ばれるファガス(Fagus)や見ることができます。
オーストラリアには落葉樹がほとんど無く紅葉というものが
ありません。ところが気温の低いタスマニアの山岳地帯には
このファガスという落葉樹が生息しており,唯一の固有落葉樹だそうです。寒くなるとその葉は黄色になり山全体が黄色く
染まるため黄葉と呼ばれているそうです。
クレーター滝クレーター滝(Crater Falls)の傍を通り,
まず最初に現れる綺麗な湖は
クレーター湖(Crater Lake)です。
ここで一休み。急勾配




クレーター湖の窪みを登り切り抜けだすと見通しの良い開けた場所に
出ますが,ゴールはまだ上の方にあります。
いよいよここから鎖場ありの急勾配を登り切ると
目指すマリオンズ・ルックアウトに到着です。
最初にも書きましたが,本当に珍しい晴天で景色は最高でした。
マリオンズ・ルックアウトマリオンズ・ルックアウト
サンドウィッチかなりヘトヘトですが,軽いサンドウィッチのお弁当がこのような時には
最高です。ただ,びっくりしたのは赤ちゃんを抱いてここまで
すごいスピードで上がって来た外人さんがいたことでしょう。
慣れているのかして皆元気ですわ。
 

 下山は鎖場の下から別の経路をとり,
 ウォンバット・プール(Wombat Pool)の 横を通り,
 湿原に戻って来ました。
 ウォンバット・プールは別にウォンバットが
 いるわけではなく,ただの池なのですが,
 入口手前の湿原に戻って来るとまた
 ウォンバットが何匹かいます。
ウォンバットウォンバットウォンバット
ルールは守ろう!おっ,この外人ボードウォークから外れて湿原に入り写真を
撮っています。これはやっていはいけません!
ガイドのN氏が「そこにいたら蛭に食われるよっ!」なんて
言ってましたが,そう湿原の中は蛭が沢山いるそうでうです。
 カモノハシ!! 
そろそろ日が暮れそうな時間に宿泊場所のクレイドル・マウンテン・ロッジ(Cladle Moutain Rodge)に
戻って来ました。今夜の夕食はホテルのレストランで個別に食事することになってましたので
適当な時間まで部屋でゆっくりしてようとしていたのですが,暫くすると部屋の電話が鳴り。。。
ガイドのN氏が「池にカモノハシが出ています!!」
えぇっ〜,まさかホテルの庭の池でカモノハシが出るとは,急げ。
部屋を飛び出すと,N氏も慌てて飛び出してきましたが,Tシャツに短パンで,どう考えても
寒いやろ。何せカモノハシを見せれていなかったので,少し責任を感じてたところ,
何気に部屋から池を見たらカモノハシが泳いでいたそうで,参加者全員の部屋に電話して,
着替える間もなく飛び出て来たようです。でも部屋にいたの私達だけだったそうです。
池のそばに下りて行くと,「あれカモノハシいない?」もう帰ってしまったのか???
カモノハシ登場!しばらく池の真ん中にある陸地を見ていると,縁の草の
あたりがモゾモゾと動き出しました。「あれだ!」
恐らくその草の中が巣への入口なんでしょう。
しばらく姿をハッキリ現わさなかったのですが,
いよいよ,池に泳ぎ出したら,沈んでは直ぐ浮かびを
繰り返し,池を半周以上泳いで見せてくれました。
登場すると水の輪ができます泳ぐカモノハシ
浮かぶカモノハシ頭に葉っぱついてますけど。。。
何と,昔はいたというカモノハシがホテルの池に戻ってきたのです。灯台下暗しとはこのことか。
カモノハシは水辺にしかいないイメージですが,もちろん魚ではありませんので,不定期に陸地経由で水のある場所を移動することがあるんですね。
川のみならずちょっとした水溜りのような池にいることもあるそうなんですが,実際ウォンバットのいた
湿原で歩いているのをN氏も見たことがあるそうです。
   
 南半球の夜空 
ポッサムホテルで夕食を食べた後,この日も野生の動物を見に
ドライブに出かけたのですが,ここまで来るとワラビーや
パディメロンの出現くらいでは驚かなくなっています。
ドライブの前に部屋の前にいたポッサムの撮影会を
しました。
結局,大きな収穫はそれ程無かったのですが,
ホテルに戻ってきてから部屋の前で星空を観察
しました。実は私は子供の頃から星座にも少々
興味がありまして,普段見ることのできない
南半球の星座を一生懸命に見ました。
ギリシア神話と結び付いた北半球の星座とは違い,
大航海時代以降の歴史の浅い星座が多く,
ピンと来ないですし似てないんじゃないか?
というような星座も多いのです。
新しいっぽいかなぁ?→カメレオン座,風鳥座,かじき座,巨嘴鳥座。。。
大航海時代の名残?→六分儀座,八分儀座,コンパス座,望遠鏡座,レチクル座。。。
何で星座にしたん?→蝿座,南の三角座,定規座,ポンプ座,彫刻具座。。。
南十字星とか中でも感動したのはやはり南十字星ですね。
しっかり見えましたよ。
その他,天の川に大マゼラン・小マゼラン,
コールサックまで。いや〜空気の澄んでいるところの
星空は格別ですねぇ。
ゆきるが何とか写真を撮ろうとしていましたが,
上手く取れませんでしたので,男性一人旅のTさんに南十字星の写真をご提供頂きました。
あぁ,星を観察してる間もパディメロンやポッサムがウロウロしてて,目があったりして。
このホテルすごいわ。